出産内祝い

出産 内祝いとは

出産の内祝いというのは、現代は、子供が生まれた際に頂いたお祝いのお返しとして渡すもの…という認識を持っている方が多いかもしれませんが、本来の意味では、子供が生まれた喜びを込めて、親戚や近所の方々、友人知人へ配るお祝いのことを指していたんですね。つまり、出産のお祝いを頂かなくても、自家のお祝い行事の1つとして行うものであり、だからこそ内のお祝い…内祝いなわけです。とはいえ、最近は本来の意味で出産の内祝いを行う家庭はかなり少ない…というか、ほとんどないのではないかな、と思います。やはり、内祝い=頂いたお祝いのお返しという意味合いが広まっていますから。ですから、現在の意味の内祝いについていろいろ説明していきたいと思います。

出産の内祝いを行う時期ですが、正式な時期でいうと、お宮参りの頃のようです。ちょうど生後1ヶ月頃でしょうか。生まれて1ヶ月頃までにお祝いを頂いた方々へまとめて出産の内祝いを送り、1ヶ月後以降にお祝いを頂いた方には、その都度内祝いを送る…というのが一般的ではないでしょうか。ですから、遅れてお祝いを頂いた場合、出産後半年以上経ってから出産の内祝いを送るということも決して珍しくありませんし、失礼にも当たらないかと思います。

ただ最近は、出産祝いを頂いたものの、「お返しは不要です」と言われることも多いかと思います。親しい間柄…それこそ、親しい友達ならば、「お祝いはするけど、お返しはお互いにナシにしよう」という取り決めを作っている場合であれば、内祝いをする必要はありませんし、そうでなくても、親しい間柄の相手ならば、ありがたくその言葉を受取って、御礼状だけで済ませたほうがスマートです。しかし、言い方に語弊はあるかもしれませんが、「お返しは不要です」というのが本心なのか建前なのか…が判らない方もいらっしゃいますよね。単なる表向きの言葉である可能性もありますから、そういった場合は、内祝いをしておく方が無難ではないかと思います。

また、出産時にお世話になった産婦人科や病院の医師、助産師さんにも内祝いを贈りたいという方もいらっしゃるかもしれません。基本的には、医師や看護師、助産師への内祝いは不要ですし、公立病院などでは金品の授受を禁止しているところも多く、内祝いもそれに含まれますから、内祝いは贈らない方が無難です。ただ、産婦人科や病院で、そういった贈り物を禁止していないのであれば、内祝いというよりは、「お世話になりました」という挨拶と共に菓子折りなどを持っていくと良いかと思います。

そもそも内祝いとは

先ほども少し触れましたが、内祝いというのは、決して頂いたお祝いのお返しとして贈るものではありません。内…つまり自分の身内でのお祝いという意味がありますので、自家におめでたい事があった場合、その喜びやお祝いの気持ちを品物という形に変えて、周囲のいろんな方々へお裾分けし、一緒に喜び祝ってもらおう…という意味が本来の内祝いの意味なのです。ですから、元々は、おめでたい事があった場合、周りからお祝いを貰うよりも先に、内祝いを配る…ということも珍しくないことだったのです。

こういった昔ながらも内祝いを行っているところはかなり少なくなってきています。例え本来の意味であっても、やはりお祝いのあった家から先に品物を配られたのでは、戸惑う方も多いですしね。ただ、本来の意味を残した内祝い…として、結婚式や披露宴で配られる引出物が、昔ながらの内祝いに当たるのではないでしょうか。引出物も内祝いの1種ですし、一応あれは、お祝いを貰った後のお返し…というものではありませんから。ですから、結婚式や披露宴に出席した方からはご祝儀を貰いますが、それに対して内祝いを贈ることはしませんよね。もちろん、結婚式や披露宴に招待していない方からお祝いを貰った場合は、そのお返しとして内祝いを後日贈る必要がありますが。

ただ現在は、人生の喜ばしい節目でのお祝いごとに対して他人からお祝いを頂いた時、そのお返しに贈るもの…それが内祝いとして認識されています。貰ったお祝いの返礼品という捉え方ですね。

お祝い事…といえば、出産祝いの他、結婚祝い・入学祝い・就職祝い・成人のお祝い・入院や療養のお見舞い、快気祝い、新築祝い…などが挙げられますが、どの場合でも、お祝いを頂いてからおよそ1ヶ月後までにいは内祝いを贈るのが一般的となっています。もっとも、1ヶ月以降にお祝いを頂いた場合は、その都度に内祝いを贈ります。

内祝いの相場ですが、よく半返しという言葉を見聞きするかと思いますが、だいたい頂いた品物の金額の1/3~1/2の金額が内祝いの相場となっているようです。出産の内祝いならば砂糖やお饅頭、結婚の内祝いならば日用品・消耗品・食料品…など、貰った側の使い勝手が良いものや、形として残らない物が一般的です。出産や結婚の内祝いでは、記念品として名前入りや写真入りの品物を贈りたくなるかもしれませんが、やはり貰った側としてはそういった類のものは困りますし、避けた方が賢明です。快気祝いの内祝いの場合は、入院中や療養中に心配してもらった方々へ回復をお知らせすることが目的となっていますので、その意味を考えて品物を選び、一言感謝の言葉を添えた手紙やカードと一緒に贈ってください。ただ、新築の内祝いの場合は、他の内祝いとはやや異なります。お祝いを頂いた方を、新居のお披露目として自宅に招待し、食事を振舞うことを内祝い代わりとするのが基本です。もし、品物で内祝いを贈る場合は、茶器・コーヒーカップなどの器物が良いと言われていますが、しかしこれにこだわる必要は最近はありません。

どのお祝いにしても、配送で品物が届けられた場合は、とりあえず3日以内には電話や手紙などでお礼を伝えることが大切です。その時に、もし相手の住所を知らない場合は、その際に訊いておくと良いですよね。

内祝いというのは、地方などによって昔から縁起物などを配る習慣がだいたい決まっていることもあります。ですから、例えば、転居先など慣れない土地での内祝いやお返しをする場合は、その内容は気を付けた方が良いですよね。どのような品物を選べば良いか判らない場合は、お店の方などに訊くと良いかと思いますよ。周囲に訊くよりも、その方が一番確実かもしれませんね。

熨斗のマナー

内祝いに欠かすことができないものが、熨斗や水引です。普段、あまり熨斗や水引に対して深く考えたことがないかもしれませんが、実は何を贈るかによって、熨斗や水引の使い方は変わってくるのです。

熨斗は、品物を包んでいる掛け紙や祝儀袋の右上に付いている、紅白のひだ状に折りたたまれた紙のことをいいます。本来、熨斗というのは、中にアワビの肉を薄く剥いで干した熨斗鮑(のしあわび)を包んでいたのだそうです。アワビというのは、神様に供える貴重なものだったのですが、その貴重なものを贈物に添える…という風習が古くからあり、それが後に、アワビから昆布、更に小さな紙片…へ置き換わっていったのです。現在の熨斗には、真ん中に黄色く細い紙片がありますよね?それこそがアワビの代わりなのです。

内祝いの場合、贈る品物が生物であるならば、アワビも生物ですから、重ならないように熨斗は付けません。ただ、最近はあまりこだわりがないというのもありますし、そもそも内祝いに生物を贈ることも少ないですから、あまり気にする必要はないかと思います。

そして、熨斗と一緒に贈物を包んでいる掛け紙を結んでとめる飾り紐…それが水引です。昔は、和紙でこよりを作り、それを水のりで固めて作っていました。ちなみに、熨斗と水引をまとめて1枚の掛け紙に印刷したものが、熨斗紙です。

水引にも様々な種類があります。ご存知の通り、慶次用は紅白・金銀・金赤などの色が使われており、濃い色が向かって右側にくるようになっています。水引の形は、一般的には蝶結びと呼ばれている花結びを、簡単にほどけて、またすぐに結び直すことができるため、何度あっても良い…という意味で、出産の内祝いや新築の内祝いに使用します。逆に、一度切りであってほしい、何度もあっては困る…という意味で、ほどけない結び片の結び切りで結ばれた水引は、結婚の内祝いに使用します。なお、鮑結び(または、あわじ結び)は、引っ張れば引っ張るほど締まってしまうため、付きあいが深くなる・・・という意味で、幅広く慶弔両方に使用することができます。

熨斗を書く場合は、水引の上段中央に表書き(献辞)を入れます。内祝いの場合は、熨斗に「内祝」と入れれば問題ありません。ちなみにお返しの場合は「御礼」でも大丈夫ですし、快気祝いならば「全快内祝」「本復祝」、長寿の内祝いの場合は「還暦内祝(他にも、古希・喜寿など)」、結婚式での引出物ならば「寿」を入れます。注意したい点は、4文字の表書きは、死(4)文字に通ずるとして忌避されることもありますので避けてください。そして水引の下段に贈り主の名前を表書きよりも小さな字で入れます。基本としては苗字のみを書きますが、出産の内祝いの場合は、子供の名前だけを書いてください。もし、難しい漢字だったり、読みづらい名前である場合は、フリガナを右側に小さく入れると良いですよね。なお、結婚の内祝いであれば新姓のみか、夫婦連名(夫のフルネームの隣に妻の名前だけ)とします。それ以外で連名を書く場合は、地位や年齢の高い順に右から左に並べて入れます。また、熨斗紙は毛筆の楷書で書くのが原則となっています。

出産 内祝いの選び方について

出産の内祝いの選び方ですが、まずはやはり金額について考えますよね。一般的には、出産のお祝いとして頂いた品の、およそ1/3~1/2ほどの金額の品を送るのが相場のようですね。ですから、例えば出産のお祝いに1万円のものを頂いたのであれば、その内祝いは3,000円~5,000円のものを選ぶと良いのではないでしょうか。もちろん、これはあくまで一般的な相場ですから、必ずこれを守らなければならないというわけではありません。家庭の事情も違いますし、また親戚間と友人間とではまた違っていたり、通例などもあったりしますから、状況に応じた妥当が金額を予算とすれば良いと思いますよ。

もし、頂いたお祝いの品物の金額が判らない場合は、他の頂いたお祝いの内祝いと同じ物で構わないかと思います。確かに内祝いの相場は考慮すべき点ですが、しかしあまりに金額ばかりにこだわってしまうと、肝心の品物を選ぶ際に困ってしまいますからね。しかし、あまりに高価な品物を内祝いとして贈ると、かえって失礼にあたりますので、その点は注意してください。

ただ、出産後は出費もなにかと多いですし、頂いたお祝いの感謝の気持ちや、子供が誕生した喜びを込めた品物を内祝いとして選びたいのは思いつつも、それでも、できるだけ予算を抑えたい…という気持ちもあります。これはもう仕方がないですよね。少しでも予算を抑えるための節約技としては、例えばまとめ買いをすることで割引サービスを受けることができるお店を利用したり、送料が無料になるサービスがあるお店を利用すると良いのではないでしょうか。最近は、出産の内祝いなどの品物もオンラインショップで購入できるようになっています。内祝い専門のオンラインショップもありますし、そういったところは注文合計金額によっては送料が無料になったり、同じような品物でも店舗で購入するよりも低価格で購入できたり、またラッピングサービスや熨斗付きも無料で付けることが可能となりますので便利ですよ。なにより、赤ちゃんを連れて出掛けなくても、自宅で空いた時間にゆっくり選ぶことができる…という点も良いですよね。

出産の内祝いに選ぶ品物ですが、それこそ昔であれば、紅白饅頭や砂糖などが縁起物として内祝いの定番となっていましたが、現在は、特にそういったこだわりは少ないですよね。お菓子の詰め合わせ、コーヒーや紅茶のギフトセット、タオル、食器…など、幅広い品物が内祝いとして贈られています。ただ、比較的、出産の内祝いというのは貰う機会も多いと思いますので、できれば内祝いは、形に残るものよりは食料品や消耗品の方が良いのではないかな、と思います。子供の名前や写真の入った品物を選ぶ方も多いようですが、これは正直なところ、形に残るものの場合は避けた方が良いかと思います。実家に贈るのであれば問題はありませんが、それ以外の遠い親戚や友人・知人にとっては、正直なところ他人の子供ですから、貰った方も困ると思うんですよね。名前や写真が入ってますから捨てるわけにもいきませんし、飾っておくことも躊躇する方が多いのではないでしょうか。内祝いとしての面白さやサプライズとしては楽しいですが、名前や写真の入ったものは選ばない方が賢明です。しかし、最近は、名前を入れたカステラやお饅頭などの食料品もありますから、そういったものならば、形には残りませんし良いと思いますよ。

ただ、地域によって風習が異なり、内祝いで贈ってはいけないとされる品物もあったりします。よく言われるのが、「日本茶は弔辞に結びつく」「刃物は縁を切るという意味」「履物は踏み付けるという意味」…として、これらの品物を贈答品として選ぶことを不向きとしているところもあるんですよね。もし、遠方の方へ内祝いを贈る場合は、そういったことを確認しておくと、相手に失礼にならず、失敗することはありません。

注意したいのは、もしグループでお祝いを頂いた場合です。内祝いの相場の金額を人数分で割った品物を内祝いとして返しても良いですし、みんなで分けることができるような物を1人代表者へ内祝いを贈るのも良いですよね。グループで出産祝いを貰うというのは、大抵の場合、気心知れた親しい友達であることが多いと思うのですが、赤ちゃんのお披露目もかねて自宅へ招き、食事をして、帰りに手土産を渡すことで、頂いたお祝いのお返し…とするのでも構わないと思いますよ。

出産の内祝いを贈る場合は、大抵の場合、熨斗を使用します。この熨斗は、紅白の蝶結び(花結び)の熨斗を選び、水引の上に「内祝い」という言葉を入れ、その下に生まれた子供の名前を入れます。子供の名前を入れるのは、子供の名前のお披露目という意味が含まれているためですので、もし読みづらい名前、漢字が難しい名前の場合は、横にフリガナを付けておくと相手に伝わりやすくて親切だと思いますよ。

また、熨斗ではなく、その土地や地域の風習などによっては、命名札を付けるところもあるようですね。命名札というのは、上に「命名」という言葉、その下に子供の名前を入れた短冊のようなもので、上下に赤い線が入ったものです。この命名札というのは、命名札を受け取った方が、部屋などの普段目につく場所へ貼ったり置いておくことで、毎日眺めて子供の名前を覚える…というのが本来の目的のようです。最近は、この命名札も本来の形のものではなく、もっと洒落てカジュアルになったものもあるようですよ。ただ昨今は、命名札を使用しない場合も多いですし、また命名札に代って、子供の名前や写真を入れたメッセージカードを付けて出産の内祝いと一緒に送る方も増えているようです。

そして、出産の内祝いを直接相手に渡すのではなく、自宅などに送る場合は、御礼状を送ることもマナーの1つです。内祝いを贈った…ということを知らせるためのものでもありますが、ただ形式だけで送るのも味気ないですから、頂いた出産祝いの感想や、近況報告などを付け加えておくと、感謝の気持ちもより相手に伝わりますよね。最近は、こういった内祝いの御礼状も印刷で済ます方も多いかと思いますが、頂いたお祝いの感想や近況報告などは、手書きの方が良いと思いますよ。もちろん、全て手書きでも構いません。寧ろ、その方が好ましいです。「どのような文章を書けば良いか判らない…」という方は、インターネット上のウェブサイトに多く文例が掲載されていますので、検索して参考にしてみると良いですよ。

出産 内祝いのタイミング

最初にも触れましたが、出産の内祝いは(出産に限らず、大抵の内祝いに関して…ですが)だいたい産後1ヶ月頃に行うのが良いとされています。ただ、だからといって、出産後に内祝いの準備をしていたのでは大変です。赤ちゃんのお世話は昼夜問わずですし、産後はお母さんの体調も崩れやすく、正直なところ身も心もクタクタになっている方も多いです。そんな状況で、更に内祝いの準備まで…となると、かなり慌しくなってしまい、ゆっくり品物を選んだり購入することもままらないですよね。そのため、出産の内祝いは、産後1ヶ月を目安に出産前から準備しておくことが好ましいのです。

一般的に出産の内祝いのスケジュールとしては、出産前に住所録を整理したり、内祝いの品をある程度決めておくことが大切です。出産祝いは、出産前に頂くことも多いですから、実際に既にお祝いを頂いた方の連絡先をまとめたり、頂いたものを基に考えて内祝いの品物を決めておくことはできますよね。贈るのは産後1ヶ月頃ですが、余裕があるのであれば、先に品物を購入しておくのも良いかと思います。ただ、相手の自宅に送る場合は、自分で郵便局なり宅配便に持っていって配送手続きをするのであれば問題はありませんが、購入した店舗やオンラインショップから品物を配送してもらう場合は、先に購入して後日配送してもらう…ということが出来ないところが多いので、その場合は出産後に購入・手続き等を行ってください。直接相手に手渡しする、自分で配送手続きをするつもりなのであれば、出産前に購入しておくと良いかと思います。

また、出産後にお祝いを頂くことも多いかと思います。…が、この場合もある程度予想を立てることはできますよね?「お祝いを貰っていないのに、貰った時のことを考えるなんて…」と思われるかもしれませんが、お祝いを頂くことを期待して考えるのではなく、スムーズに内祝いを贈るために考えることですから、他人にそれを口にしなければ失礼にも何も当たらないかと思います。過去に、自分が出産祝いを贈った相手などは、自分が出産した場合にお祝いを頂く可能性は高いですよね。それに、以前自分が出産祝いを贈っていなくても、多分、お祝いを頂けるのではないかな…という友人知人、同僚等の目途はつくと思います。友達などからは「お祝い何がいい?」と訊かれることもあるでしょうしね。そうして、お祝いを頂けるかもしれない方を挙げ、実際にお祝いを頂いてはいなくても、ある程度、内祝いの品物の目星をつけたり、直接手渡しするのか、自宅などに送るのか。送るのであれば、送り先や連絡先を整理しておく…というのは大切なことだと思います。もちろん、実際にお祝いを頂かなくても、品物を購入しているわけでもありませんから、別に問題はありませんよね。そして出産後、お祝いを頂いた方へ御礼の連絡をしたり、内祝いを購入したり、贈ったり…を行います。御礼の連絡は、先ほども挙げましたが、だいたい3日以内に電話か手紙でするのが礼儀です。

おおよそのスケジュールを挙げてみると、妊娠7ヶ月~9ヶ月頃までに、内祝いを送る方をピックアップしたり、内祝いの品物をチェックしたり、配送する場合は住所などを整理しておきます。出産前の準備とはいえ、臨月に入ってしまうと、いつ産まれてもおかしくないわけですから、あまり出産予定日に近い日まで内祝いの準備をするのは避けたいですよね。出産準備もしなければなりませんし、出産前は出産前で忙しいですから。そのため、体調的にも精神的にも余裕のある妊娠7ヶ月~9ヶ月頃には終わらせておくのがベストです。それにこの頃には、既にお祝いを頂いている可能性もありますしね。この時点でお祝いを頂いているのであれば、先に購入しておいても構いません。

産後1週間…つまり、赤ちゃんの生後7日目はお七夜といい、命名を行います。半紙、または既成の命名書などに、毛筆で子供の名前と生年月日を記し、赤ちゃんの枕元などに貼り付けます。出産祝いは、この頃に届くことが多いのではないでしょうか。もし、里帰りしている場合は、ご主人の上司や同僚、友達からもお祝いを頂いているかもしれませんので、逐一報告してもらうようにしてください。こういった内祝いの準備などの細かいことは、女性と比べて男性はあまり気にしていなかったりします。お祝いを頂いたものの、それを奥さんに伝え忘れている…という可能性も無きにしも非ずですから、内祝いの贈り漏れのないよう確認してください。奥さんが実家で内祝いの品物を購入したり、配送手続きを行うこともありますしね。

出産祝いが届いたら、まずは3日以内に電話や手紙で御礼を伝え、そして出産祝いを頂いた方のリストを作成します。もちろん、直接お祝いを届けて頂いた場合は、御礼の連絡をする必要はありませんし、ご主人の会社関係、または友達からのお祝いは、その状況に応じてご主人からの御礼だけで構わない場合もあります。出産前からリストを作成しておくと、手間も省けますよね。もし、リストに挙げた方からお祝いが届かなかった場合は、リストから省けば良いのですから。産後1ヶ月…つまり赤ちゃんの生後1ヶ月頃、初めて近くの神社に参拝するお宮参りを行います。このお宮参りを終えたら、内祝いを送ったり、または手渡しで相手に届けます。

ここで気になるのが、もし相手が喪中であった場合、内祝いを贈って良いものかどうか迷いますよね。基本的には、現在の認識でいうと、内祝いというのは、頂いたお祝いのお返し…という意味ですから、相手が喪中であっても、内祝いを贈っても失礼にはあたりませんし、全く問題はありません。熨斗に「内祝い」と入れることに抵抗がある、または気になる方は、代わりに「御礼」という言葉を入れることで抵抗は緩和されるかと思います。もちろん、地域などによって異なりますから、内祝いさえも避けている…というお宅もあるかもしれません。引越してまだ間もなく、まだその地域の風習などを把握できていないのであれば、お店の方や近所の方など、地元の方などにまずは訊いてみるのが確実かもしれません。ただ、喪中であっても内祝いを贈られることに抵抗がない地域であったとしても、亡くなった直後であるのならば、内祝いを直後に贈るのは控えた方が賢明です。この場合、仏式ならば、四十九日を過ぎてから贈るようにしてください。

出産の内祝いを、相手に直接渡す場合

出産祝いを配送するのではなく、直接お宅などに訪問して渡す場合は、やはりそれ相応のマナーが必要です。せめて最低限のマナーは心得えておき、相手に失礼のないように感謝の気持ちを込めて、内祝いを渡すようにしてください。

個人宅を訪れて内祝いを渡す場合に注意したい点ですが、まず、自宅などに訪問する日時はあらかじめ連絡をして、相手の都合を最優先にして決定してください。当然のことながら、早朝・夜間を避けるのはもちろんのこと、食事どきも避けることが常識です。そして、約束した時間よりも少し遅れて訪れるのもマナーの1つです。あまりに遅くなってしまうのは、それはそれで失礼ですが、ビジネスとは異なり、約束した時間よりも数分遅れて到着するようにした方が、相手への気遣いにも繋がります。

そして、内祝いの品物は、風呂敷や紙袋などに入れていくことも必要です。いくら包装紙でキレイにラッピングされているからといって、そのまま向き出しの状態で訪問するのは避けましょう。部屋へ通されるか、または玄関先のみか…は、相手によって異なります。もし部屋へ通される場合は、まずは部屋へ入ってから、挨拶をする時に一緒に内祝いを渡してください。玄関先での場合でも、挨拶と同時に内祝いを渡します。この時、注意したいのは、訪問する時は、風呂敷や紙袋に包んで内祝いを持っていきますが、渡す時は、風呂敷や紙袋から取り出して渡すのが基本です。風呂敷に包まれたまま、紙袋に入ったままの状態で相手に渡さないようにしてくださいね。

風呂敷や紙袋から取り出した内祝いは、まずは一旦、熨斗の正面が自分の方へ向く状態で置きます(または持ちます)そして、相手に渡す前に、一度、熨斗の正面を相手の方に向くように向きを回して変えてから、必ず両手で渡してください。部屋へ通されるなどして、テーブルが相手との間にある場合は、テーブルに置き、軽く相手の方へ移動させるだけで良いですし、相手に手渡しする場合は、相手が受け取るまで差し出してください。

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