クーハンの魅力

赤ちゃんと一緒に出掛けやすい環境が整えられてきている現代ですが、それでも、日本中どこへ行っても快適に出掛けられる…というわけにはいきません。施設などが、赤ちゃん連れの家族に配慮した様々な対応をしてくれるのを希望する一方で、赤ちゃんの快適さは、親である自分たちがつくるものでもあると思います。外出時、赤ちゃんが快適に過ごせるためのアイテムは多種多様にありますが、その1つがクーハンなんですよね。

まだ首が座らず、抱っこされている以外は、寝転んでいなけらばならない時、フローリングや畳に直に赤ちゃんを置くのはやはり躊躇しますよね。ブランケットやおくるみなどを敷き、その上に赤ちゃんを寝かせる方法もありますが、場所などによってはそれも抵抗を感じることもあるかと思います。そんな時でも、クーハンならば、赤ちゃんの周囲が囲まれている状態ですし、またクッション性もありますから、安心して赤ちゃんをそこへ置くことができるのではないかな、と思います。飲食店へ出掛ける場合でも(クーハンでの入店可能な場合に限りですが)、クーハンを持っていけば、クーハンのなかにいる赤ちゃんの様子に常に目をやりながら食事することができます。実家へ帰る際も、ベビーベッド代わりとしてクーハンのなかで赤ちゃんを寝かせることもできますよね。ベビーベッドから離れた場所で何か作業をしなければならない時も、クーハンがあれば、作業しながら赤ちゃんの様子を見ることができます。

それに、夜寝る時はベビーベッドのある寝室だけれど、昼間はお母さんがリビングにいることが多い場合は、自然と赤ちゃんもリビングにいることになります。この時、ただタオルや布団を敷いてそこに寝かせるよりも、クーハンを置き、そのなかで赤ちゃんを寝かせる方が、埃をある程度防ぐことができますよ。更に、2人目、3人目のお子さんでクーハンを使う場合は、上のお子さんが踏んでしまわないように守るため…としても使うことができます。どうしても、たとえ布団などが敷いてあっても、直に下で寝ているよりは、クーハンに入れてあった方が、上のお子さんも「そこは通ってはいけない」という意識が働きますから、赤ちゃんを踏んでしまうことも防げると思います。

また、赤ちゃんと一緒にお風呂に入る場合も、先に赤ちゃんをお風呂へ入れた後、脱衣所にバスタオルをのせたクーハンを置いておき、洗い終わった後、一先ず、赤ちゃんをクーハンのなかへ寝かせ、その間に自分が身体を洗う…ということもできます。このお風呂時にクーハンを使用する方というのは結構いらっしゃって、「クーハンを持っていて良かった」という意見を持っている方は、大抵の場合、このお風呂時の使用を挙げることが多いですね。確かに、私も経験がありますが、上の子がまだ小さい時(ウチは年子だったので余計に)、旦那の帰りが遅くて私1人が2人の子どもをお風呂に入れてたんですが、先に下の子を洗って、拭いた後に一旦脱衣所に置いたクーハンのなかに入れてたんですよね。もちろん服も着せて。自分の身体が濡れていても、脱衣所だからそれほど気にする必要はありませんし、子どももしっかり拭いて温かくしておけば、風邪を引かせることもありませんでした。何より、もし泣いてもすぐ傍にいるから聞こえるし、顔を見せることもできたから安心だったんですよね。最悪、お風呂のドアを開けておくこともできましたし。もちろん、全くクーハンを濡らさずに使うことはできませんでしたが、キルティング素材のクーハンだったので、気軽に洗濯することができましたし、我が家では、下の子が1人で上手に座ることができるまで、かなり重宝していました…というか、お風呂は毎日入りますから、クーハンも毎日使っていましたね。

また、単なる赤ちゃんを中へ入れて寝かせたり、持ち運びするためだけでなく、他の機能も付いてるクーハンもあります。例えば、プレイマットやお昼寝マットなどにもなるクーハンや、バッグになったり、オムツを交換する際に下に敷くパットになるクーハンもあるんですよね。メーカーやブランドによって価格は異なりますが、特にメーカー・ブランドにこだわらないのであれば、プラスαの機能が付いているクーハンもそれほど高い価格というわけではありません。本来であれば、3ヶ月間ほどしか使用することができないクーハンですが、プラスαの機能が加わることで、もっと長く使用し続けることが可能となります。ちなみに我が家で使用していたクーハンは、ファスナーで組み立てるようになっているものだったので、そのファスナーを外せば、1枚の布…つまりお昼寝マットにも使えるものだったんですね。お風呂の時や、まだ新生児の頃は、実家に帰る時などにクーハンとして使っていましたが、それ以外の時は部屋でファスナーを外して使っていました。お昼寝マットとしてなら、1歳以上になっても使うことができますし、元は十分に取れたと思います。しかも2人の子どもに使いましたから余計に。それに、ファスナーで組立るタイプのクーハンは、子どもを入れた時に足側にくる部分のファスナーだけを外せば、クーハンに入ったままオムツを替えることも可能ですし、オムツ交換したいけど場所がない…という時も、クーハンに入れて替えることができますよ。車内でオムツを替えなければならない時も、クーハンがあれば慌てることもありませんしね。ただ、特別プラスαの機能がついていないクーハンでも、子どもが使わなくなったらオモチャ入れや、着替えを入れるために使用することもできますし、クーハン卒業後も、使い方によって長く使用することができますよ。

クーハンの危険性

クーハンの危険性…とすると、クーハンそのものに危険があるかのように感じてしまうかもしれませんが、もちろんそういうわけではありません。クーハン自体に危険性があるのではなく、使い方によって事故に繋がる…ということですね。

クーハンというのは、赤ちゃんを入れて運搬する際に使用するものではあるのですが、だからといって、ベビーカー代わりになるものでも、抱っこ紐・おんぶ紐の代わりになるものでもありません。どちらかというと、簡単に移動することができるベッドとしての篭になります。

そのため、移動する際に、ベビーカーのようにクーハンを持っている保護者が自由に動き回ることはできませんし、負担もかかりますし、何より不安定です。クーハンを持ったまま軽く腕を振っただけで、遠心力で赤ちゃんだけがクーハンから飛び出して落下してしまう可能性は決して低くありませんし、誰にでも起こり得ることです。

「ならば、クーハンと赤ちゃんを固定すれば問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、そもそも、重さのあるクーハンを持っているわけですから、手からクーハンが離れてしまう可能性も十分にあり、クーハンを落とせば当然赤ちゃんも落ちてしまいますから、結果的には同じです。

クーハンを持ち運ぶ場合、どうしても片腕で持つことになります。抱っこしているとあまり感じないかもしれませんが、クーハンに乳児を入れて運ぶとかなり重く感じ、腕への負担もかかってしまうため、あまり長い時間、運搬もしくは手に持っていると、持ち直すこともあるかと思います。しかし、その持ち直す時に、クーハンを落としてしまう可能性があるのです。当然のことですが、落としてしまったことで、赤ちゃんは全身を強打することになりますし、それによって大怪我、最悪の場合、命を落としてしまうこともあるのです。実際、そういった事故は決して少なくなく、実際に、転落してしまって脳挫傷になってしまった赤ちゃんも存在します。

赤ちゃんというのは、大人が思っている以上に頭が重たいんですね。大人ならば、多少、頭がずれたとしても、身体そのものに重さがありますから、簡単に転落してしまうことはまず有り得ません。しかし、赤ちゃんの場合、身体の重さに対しての頭の重さの比率がかなり大きいので、ちょっと頭がずれただけでも、簡単に転落してしまうのです。転落してしまうのは一瞬ですから、落ちそうになる赤ちゃんを受け止めることは到底無理です。

常に赤ちゃんを見て、完璧に抱っこしていると思っていても、落としてしまうこともあるわけですから、赤ちゃんを入れたままのクーハンを運搬することがどれだけ危険なことかわかりますよね。もちろん、クーハンは赤ちゃんを入れたまま移動するために使用するものではあるのですが、なるべく短時間・短距離の移動を心掛け、移動の際は赤ちゃんが落ちないように十分すぎるくらいに配慮してください。

もし、2人以上の大人で移動するのであれば、1人が赤ちゃんを抱いて、もう1人がクーハンを持って歩く…とした方が良いかもしれません。

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