<ニキビとは>
肌トラブルの1つであるニキビは、毛穴に汚れや古い角質、過剰に分泌された皮脂などが詰まってしまい、その部分(毛穴)が炎症や化膿してしまった症状のを言います。毛穴のなかには、皮脂を分泌する皮脂腺があり、の皮脂腺から分泌された皮脂は、通常は毛穴から排出されます。しかし、過剰に皮脂が分泌されてしまうと、毛穴の外へ排出される皮脂の量よりも、分泌される皮脂の量の方が多くなってしまい、排出が間に合わず、毛穴に皮脂が溜まってしまうことになります。その毛穴に溜まった皮脂は、時間の経過と共に固まっていくのですが、その皮脂の塊をコメド(角栓)と言います。コメドは、(本当はそのような行為をしてはいけませんが)ニキビを潰した時に毛穴から出てくる白いものです。
また、表皮にある角質層が分厚くなってしまうと、その角質は少しずつ硬くなってしまい、それに伴って徐々に毛穴も塞がっていってしまいます。そうなってしまうと、本来であれば毛穴から排出されるはずの皮脂が毛穴内に留まることになり、更に毛穴のなかににある毛包という部分に皮脂が溜まってしまうと、ニキビの原因であるアクネ菌(ニキビ菌)の食糧となってしまって、アクネ菌が過剰に繁殖してしまうのです。アクネ菌は嫌気金であり、空気の出入りが少ない場所を好みますから、毛穴が塞がれている毛穴のなかは、正に繁殖するためにはは絶好の場所となるのです。皮脂を食べ、それをエネルギーにしながらアクネ菌は毛穴のなかで増殖し、そしてやがて毛穴は炎症・化膿を起こしてしまいます。そしてその炎症・化膿こそが、ニキビの症状・・・というわけなんですね。
<ニキビができる原因>
ニキビには、10代の成長期に出来る思春期ニキビと、20代後半になってから出来る大人ニキビ(アダルトニキビ)の2つに分かれます。同じニキビでも、それぞれ原因が異なっており、当然、原因が違うわけですから、ニキビの改善方法も異なってきます。思春期ニキビも大人ニキビも、出来てしまったらなるべく早く治したいと思うのは当然のことで、そのためには、原因をしっかり把握し、その原因に応じた対策・ケアを行うことが大切なんですね。
思春期ニキビの場合、その仕組みはとても簡単です。人によって差はあるものの、ほとんどの方が中学生・高校生の頃に思春期ニキビが出来たことがあるのではないかな、と思います。思春期ニキビは、10代の頃に出来るものです。10代といえば成長期ですよね。身体やホルモンの成長によってホルモンバランスが乱れてしまうことが大きな原因となっています。思春期の頃というのは、男性も女性も男性ホルモンが活発になり、自然と皮脂の分泌量が増えてしまうのです。男性ホルモンは皮脂の分泌を促す作用があるため、そうなってしまうのは自然の流れですから心配になることはありません。皮脂の分泌量が増えれば、毛穴からの排出が間に合わなくなり、毛穴に皮脂が溜まっていってしまいます。そして、先にも触れましたが、毛穴内の毛包にも皮脂が溜まってしまい、皮脂をエサとしているアクネ菌が増殖して、ニキビとなってしまうんですね。
もちろん、成長していくにつれて皮脂の分泌量は元に戻っていくので、自然とニキビの数も減少していくはずです。誰もが、思春期ニキビが出来てしまうわけですが、原因が明確であるため、その分対策がしやすくなっています。なるべく油分の多い食事を避け、栄養バランスのとれた食事を摂取するなどをして皮脂の分泌量をコントロールし、肌を常に清潔な状態に保っていれば、ニキビを悪化させることもなく治していくことが可能です。「ニキビを潰すことが好き」という方がいますが、強引にニキビを潰してしまうと、正しくニキビが治らない他、患部を破裂させてしまうとニキビ跡が残ってしまうこともあります。
一方で、大人ニキビの場合は、様々な原因が挙げられます。大人ニキビは20代後半から出来始めますので、当然、成長期とは全く関係がなく、様々な原因が存在します。ざっと挙げるだけでも、ストレス・遺伝・内臓の不調・顔ダニ・生活習慣の乱れ…などがあります。
ストレスというのは、意外にこれが原因でニキビが出来てしまうことは多いんですよね。「ストレスがニキビの原因だなんて」と軽く考えている方ももしかしたらいらっしゃるかもしれせんが、過剰なストレスを感じたことで、たった一晩ででニキビが出来てしまうことも珍しくないのです。何故、ストレスがニキビの原因になってしまうのかというと、人間というのは、ストレスを感じることで、緊張状態が続いてしまい、それによって血液の流れが悪くなってしまうんですね。血流が悪くなってしまうと、血液の流れを活性化する働きを持っているDHT(ジヒドロテストステロン)という強力な男性ホルモンが過剰に分泌されてしまい、ニキビが出来やすい肌の状態になってしまうのです。肌トラブルの原因や体調不良の原因として、よく「ホルモンバランスを崩す」と言われることがありますが、大抵の場合が、DHTが増えてしまうことを指しているのです。ストレスを溜めないようにすることが大切ですが、正直なところ、ストレスを全く感じずに生活することはほぼ不可能です。もちろん、ストレスを感じないように工夫することも大切ですが、それ以上に、溜まったストレスを発散できる方法を探すことが大切です。何か夢中になれる趣味を見つけても良いですし、他にも身体を動かしたり、友達と遊んだり、愚痴を聞いてもらったり、アロマグッズなどで気分をリフレッシュしたり・・・というのも効果的ですよね。最も悪循環なのは、ニキビが出来てしまったことを気にしすぎてしまうことでストレスが溜ってしまい、そのストレスが原因でまたニキビが出来てしまう・・・という流れです。ニキビが出来て気分が落ちてしまう気持ちも判りますが、ある意味、「出来てしまったものは仕方がない」と割り切って、前向きに考えることも必要です。
遺伝が原因というのは、これは要するに生まれもっての体質・・・ということですね。皮脂の分泌量が多い体質、ホルモンバランスの悪い体質…など、体質によってニキビができやすい、できにくい・・・に分かれることもあります。確かに、思春期ニキビでも、男性ホルモンの過剰分泌によって皮脂量が増えるとはいえ、それでも周囲の人間よりも出来るニキビが少ない友達っていましたよね。この場合、体質を変えることは正直無理です。しかし、その体質によって起こる症状を軽減することはできます。例えば、ホルモンバランスが乱れやすい体質の場合や、どう頑張ってもニキビが出来る量が多い場合などは、皮膚科・美容形成外科などの医療機関を受診し、ピルを用いたホルモン治療や、男性ホルモンの分泌量を抑えるスピロノラクトンを用いた治療を受けられる場合があります(ただし、これらのホルモン療法は女性のみ有効となっています)また、皮脂の分泌量が多い体質の場合は、普段の食生活・生活習慣を見直し、改善することで抑えることが可能です。食事の内容を、なるべく油分の少ないものにしたり、皮脂の分泌量を抑制する働きを持つビタミンCを含んだ食品を積極的に摂取したり、栄養バランスのとれた食事を取るようにしたり。また、規則正しい生活を心がけ、睡眠不足を解消することで、皮脂の分泌量をコントロールすることができます。
内臓の不調とは、内臓に何らかの負担を掛けてしまっていたり、健康ではない状態が続いていた場合、その症状の1つとしてニキビができるということです。実は、内臓と肌は非常に深い関係があり、ニキビができる場所によって、どの内臓の調子が悪いのかが判ったりもするのです。一般的に言われているのが、胃腸に異常があると口のまわり、肝機能に以上があると頬の中央、コレステロールの過剰摂取では顎の下あたり、自律神経が乱れていると顎の中心や両サイド、ホルモンバランスの乱れやストレスでは額、新陳代謝やホルモンの乱れは首・・・等です。もちろん、必ずしも、これらの場所にニキビが出来た=内臓や各器官の状態が異常だというわけではありませんが、大人ニキビの場合、これらが原因なのでは・・・と健康のためにも疑ってみるのも良いかと思いますよ。女性でよくあるのが胃腸の調子が悪い場合に出来るニキビです。特に大腸が不調の場合・・・代表的なものとして便秘が挙げられますが、便秘は、大腸のなかに長期間、便などの老廃物が溜まっている状態ですから、それによって徐々に腸内環境が乱れていき、悪玉菌が増殖してしまいます。そして、その悪玉菌がたんぱく質を分解してインドール・スカトールという毒素を生成し、これら毒素が大腸から体内に吸収されて、血液内に取り込まれてしまうのです。当然、その血液のなかに取り込まれた毒素は全身を巡るわけですが、それが原因でニキビができることもあるんですね。更に、毒素が全身を巡り、肝臓にまでで辿り着いてしまうと、肝臓はダメージを負い、全身の代謝機能が低下してしまうこともあり得ます。この場合、便秘を解消することが改善への糸口となるわけですが、便秘解消のために、食物繊維の多い食品を摂取したり、水を多く摂ったり、運動をしたり、ストレスを溜めないようにしたりすることが重要となってきます。
顔ダニというのは、頭部の毛根部分・毛穴内にある皮脂腺に寄生している毛包虫・毛嚢虫のことを言います。「顔にダニ!?」と驚くかもしれませんが、この顔ダニは、産まれたばかりの赤ちゃん以外の人間にほとんどに寄生しているものであり、多くの場合は無害なので特に問題はないんですね。寧ろ、顔ダニは余分な皮脂を食べてくれるので、皮脂量の調節を行ってくれている存在でもあるのです。しかし、例えばメイクの洗い残しがあったり、過剰に皮脂が分泌したり、肌が不潔な状態でいると、この顔ダニは大量に繁殖してしまいます。そして、顔ダニの増殖こそが、ニキビの原因となってしまうんですね。「顔ダニが原因でニキビが出来てしまった」と自分で気づく方は少ないと思いますが、顔ダニが原因である場合、皮膚科を受診すると、顔ダニを駆除する効果のある軟膏やクリームを処方されたり、専用器具を用いた駆除などを行ってくれますので、気になった方は、皮膚科を訪れるようにしてください。
そして生活習慣の乱れというのは、睡眠不足や、栄養バランスの偏った食生活が主に原因として挙げられます。人間にとって、十分に睡眠をとるということは、健康や美容のために必要不可欠なことです。規則正しく、たっぷりの睡眠をとることで、肌の新陳代謝(ターンオーバー機能)は正常に機能し、新たな肌を生み出して、古い肌は剥がれるという一連の肌の代謝を促すことができますから、様々な肌トラブルを予防・解消することができますし、いつまでも健やかで美しい肌を保つことにも繋がります。また、規則正しい生活をするということは、自然と早寝早起きになるということでもあり、十分に肌を休ませることでもあるんですよね。食生活では、暴飲暴食を避けることや、栄養バランスの偏った食事内容を改善することが大切です。油分の多い食事を食べ続けていれば、当然、肌は脂っぽくなってしまいます。肌のタイプが脂性肌に傾いていってしまうんですね。当然、皮脂の分泌量が増えてしまいますから、それもニキビの原因となってしまいます。また、ニキビができやすい食べ物を避けることも大切です。一般的に、甘いもの・油分の多いものはニキビの原因として挙げられていますが、他にも、炭水化物が挙げられています。要するに、糖質・脂質・炭水化物を摂りすぎると、皮脂の分泌量の増加に繋がることがあり、結果としてニキビの原因となってしまうということなんですね。もちろん、甘いもの・油分の多いもの・炭水化物・・・を一切口にしないわけにはいきません。これらは確かにニキビが出来やすい食品ではあるものの、身体に良い効果をもたらしてくれる食品でもありますし、それに好きなものを食べられないというのはストレスになってしまいます。ですから、これらの食べ物の摂取は適量を心がけ、更に、栄養バランスの取れた食事をとることが大切です。あと、ニキビに効果的な食べ物を積極的に食べるのも良いですよね。例えば、ホルモンの分泌量を抑制する働きのあるA、皮脂の分泌を促す脂質を抑制する作用があるビタミンB2、皮脂の分泌量をコントロールすることができるビタミンB6、肌のターンオーバー機能をサポートするビタミンC・・・を含んだ食品が有効です。「なんだか面倒くさそう」と思う方は、和食中心のメニューを心がけると、自然と栄養バランスも改善していくと思います。もちろん、暴飲暴食は避けてくださいね。他にも、喫煙は血液の流れを悪くし、体内に活性性酸素を過剰に増やしてしまう原因にもなりますから、タバコを吸っている方はやめた方が賢明です。喫煙は、美容に悪影響を及ぼすのはもちろんのこと、健康のためにも良くありません。正に、百害あって一利なしの存在です。
<ニキビケアのクレンジング方法について>
日頃、メイクをしている女性は多いと思いますが、そのメイクを落とすために行うのがクレンジングです。メイク化粧品というのは、一般的に油性となっているので、水洗いで簡単に落ちるわけではありません。また、通常の洗顔フォームや洗顔石鹸でもキレイに落とすことはほぼできません。メイク化粧品の油分をキレイに落とすためには、専用のクレンジング剤が必要となってきます。油分を含んだ乳液をクレンジング剤として代用することもできるそうですが、これを実行している方は少ないですよね。また、最近はアイメイクを中心に、ウォータープルーフのものも増えてきています。ウォータープルーフというのは簡単に言えば防水加工が施されていることを指し、腕時計や財布などにも用いられていますが、メイクに関して言えば、汗・涙などの水分に強く、メイクが崩れにくくなっている化粧品のことを言います。夕方頃に起こりやすいメイク崩れを気にする必要がなく、1日中しっかりと朝のメイクをキープすることができるので人気が高いのですが、しかし、しっかりクレンジングを行わないと、肌のメイク汚れが蓄積してしまい、様々な肌トラブルを引き起こすことになります。通常のクレンジングよりも洗浄力が強いウォータープルーフ専用のクレンジングもありますので、ウォータープルーフのメイク化粧品を使用している場合は、それらを利用しなければなりません。
クレンジング剤というのは、油性のメイク化粧品の成分と馴染んで溶かし、汚れをしっかり落とすことが可能となっています。アクネ菌は皮脂をエサにしていることからも判るように、アクネ菌は油分を非常に好むんですね。ですから、この油性のメイク化粧品の洗い残しは、放っておくとアクネ菌の栄養源となってしまい、増殖の原因になってしまうのです。しかし、その油性のメイク化粧品を落とすクレンジング剤にも油分が多く含まれているため、クレンジングを行う場合は、メイクをしっかり落とすと同時に、使用したクレンジング剤もしっかり水・ぬるま湯で落としておかないと、たちまちアクネ菌の栄養源となってしまうのです。そういう意味では、油性のメイク化粧品をしっかり落としつつも、成分にはあまり油分が多く含まれていないクレンジング剤を選ぶのも1つの賢い方法かな、と思います。
また、クレンジング剤には界面活性剤が使用されています。界面活性剤というのは、本来であれば混じり合うことのない水分と油分を混じり合わせる作用があり、クレンジング剤には必要不可欠の存在です。実は、界面活性剤と呼ばれる成分は複数の種類があり、天然の海面活性剤も多く存在します。レシチン・サポニンはその代表的なもので、卵黄レシチンはマヨネーズを作る際に使用されていますので、ご存知の方も多いかと思います。そう、界面活性剤は食品にも多く使用されているのです(もちろん、厚生労働省に認可されている界面活性剤でなければ使用することはできませんが)ところが、界面活性剤を含む製品のなかには、洗濯洗剤・柔軟剤、台所洗剤の他、クレンジング・洗顔フォーム/化粧水/乳液/クリームなどの基礎化粧品・メイク化粧品・シャンプー・リンス・ボディソープ・ボディケア商品にも多く含まれており、そのほとんどが、化学的に合成された合成界面活性剤が使用されているのです。合成界面活性剤の種類によっては、人体に悪影響を及ぼしてしまうものがあり、注意が必要です。なかには、たんぱく質を溶かしてしまう性質を持つものもあり、その合成界面活性剤を使用したスキンケア化粧品等を使用していると、肌の角質の作用を維持することができなくなったり、肌のバリアとなっている脂質(皮脂膜)を失ってしまうため、肌が乾燥しやすくなってしまうのです。これは、敏感肌の方、肌の弱い方に悪影響を与えてしまう・・・というものではなく、どんな肌タイプの方にも悪影響を与えてしまいます。要するに、刺激が強いということなんですよね。そんな刺激の強い合成界面活性剤が、炎症を起こし、通常よりも敏感になっているニキビの患部に触れたらどういうことになるか・・・想像すればその答えは簡単に判ると思います。
もちろん、合成界面活性剤は種類ごとに身体へ与える悪影響の度合いが違うわけですが、それでもできる限り、合成界面活性剤が含まれている商品を使わないことが大切なのです。・・・とはいえ、合成界面活性剤を一切使わないというのも、正直なところ無理なことではあります。そのため、できるだけ合成界面活性剤を使用していない製品を選ぶこと、もしくは、合成界面活性剤の成分をしっかり把握し、身体に悪影響を与えない成分が配合されているものを使用するようにする・・・等の努力が必要なのです。例えば、合成界面活性剤のなかでも、乳化剤として使用されるPCAオレイン酸グリセリル・イソステアラミド・陽イオン界面活性剤である塩化メチルロザニリンなどは比較的安全だと言われています。インターネット上には、身体に与える害の少ない、または害のない合成界面活性剤の成分を簡単に調べることができますから、それらを利用し、身体や肌に優しいものを使用するようにしてください。
ニキビ肌に使用するクレンジング剤は、オイルタイプのものよりもクリームタイプのクレンジング剤の方が良いと言われています。もちろん、クリームタイプのクレンジング剤にも合成海面活性剤は使用されていますし、油分も含まれているのですが、しかしクリームタイプのクレンジング剤というのは、油分量と水分量のバランスが良く、含まれている合成界面活性剤の量も決して多くありません。メイクを落とすクレンジング剤には、オイルタイプ・ジェルタイプ・拭き取りシート・・・など様々な種類がありますが、そのなかでも肌への刺激が最も少なく、かつメイク汚れをしっかりと落とすことができるのがクリームタイプのクレンジング剤なんですね(もちろん、クリームタイプ以外のクレンジング剤のなかでも、肌への刺激も少なく、合成界面活性剤の量が少ないクレンジング剤もありますけどね)ただ、クリームタイプのクレンジング剤であれば何でも良いというわけではなく、クリープタイプのなかにも複数の種類が存在しますから、そのなかから自分の肌に適したクレンジング剤を選ばなければなりません。選ぶ基準としては、肌に刺激を与えにくく、かつ肌触りがソフトなものであり、拭き取るタイプのクレンジング剤よりも、水・ぬるま湯で洗い流すタイプのクレンジング剤の方が、肌への摩擦が少なく済み、良いと思います。クレンジング剤が含まれたシートや、コットンなどの繊維質に付けて拭き取るタイプのクレンジング剤は、軽く拭き取っているつもりでも、実際にはかなり強い刺激を肌に与えていますので、極力、刺激を与えたくないニキビの患部を優しく扱うためにも、拭き取りタイプのものは避けた方が賢明だと思います。
クレンジングの仕方ですが、アクネ菌が大好きな油分、そして肌に悪影響を及ぼす可能性があり、肌への刺激が強い合成界面活性剤が含まれている・・・ということで、できるだけ短時間でメイクを落とさなければなりません。極力、クレンジング剤が肌に触れている時間を短くする・・・ということですね。基本的にクレンジング時は、まずキレイに手を洗ってからクレンジング剤を手に取り、体温に近い温度にしてから顔につけていきます。体温に近い温度にした方が、クレンジング剤が馴染みやすくなるんですね。クレンジング剤を顔につけていく場合は、皮脂の分泌量が多い部分からつけていくようにしてください。皮脂の分泌量が多い部分・・・一般的に、Tゾーン(額・鼻)が多いと言われていますので、クレンジングは、Tゾーン(額・鼻)→Uゾーン(頬・顎)→口元・目元の順番でつけていくと良いですよ。その後、指先でクレンジング剤とメイクを馴染ませていくわけですが、この時、力を入れてゴシゴシと擦るのではなく、円を描くように撫でて指を動かしてください。ゴシゴシ擦った方がメイクが取れると思うかもしれませんが、実際には、クレンジング剤とメイクが馴染むだけで汚れを浮かびあがらせることができるため、力は必要ないのです。メイクが十分に馴染んだら、水やぬるま湯ですすぐのですが、この時、水よりも体温に近いぬるま湯を使うことをオススメします。水でも構いませんが、反対に熱めのお湯は厳禁です。あまりに熱いお湯を使用すると、肌に必要な皮脂まで落としてしまう他、肌へ強い刺激を与えることになります。洗い流す際も、肌をこすらずに優しく、そして出来るだけ素早く行って下さい。ウォータープルーフのアイメイクをしっかり使っている場合は、通常のクレンジングでは落としきることができないので、専用のクレンジング剤でアイメイクなどを落としてから、クレンジングを行います。各パーツ専用のクレンジング剤、ウォータープルーフ用のクレンジング剤も多くのメーカーから販売されていますし、代用品として、オリーブオイルでも十分に機能します。
<ニキビケアの洗顔方法>
ニキビが出来ている肌に洗顔する場合は、ニキビの状態や種類、そして肌タイプに合わせて使用する洗顔料を使い分けることが大切です。あまり症状が酷くないニキビであれば、弱アルカリ性の石鹸タイプ、グリコール酸などのピーリング成分配合された洗顔フォーム等が良いとされています。ピーリングというのは、酸性の専用薬剤を肌に塗ることで古い角質を剥ぎ取り、肌を柔らかくして、肌の新陳代謝機能であるターンオーバーを正常に機能させる効果があります。表皮も剥ぎ取りますので、表皮に存在する毛穴もリセットすることができ、皮脂・汚れなどで詰まっている毛穴をキレイにすることも可能なのです。
もし、症状に酷い重度のニキビや、化膿してしまっているニキビは、弱酸性タイプの洗顔料、もしくは天然由来成分が主成分となっている低刺激の洗顔料がオススメです。ニキビが1つだけでなく、複数出来てしまっているような重度のニキビ肌であれば、ターンオーバー機能は乱れてしまっている可能性があります。現在できているニキビを治すよりも先に次の新しいニキビができてしまう・・・という状態なんですね。そのため、ニキビができている部分の肌への負担をなるべく軽減し、更に、ニキビに対しても刺激を与えないような肌に優しい成分が配合された洗顔料を選んでください。つまり、重度のニキビ・化膿しているニキビを、普通の(という言い方もおかしいですが)ニキビの症状まで抑えることが先決なのです。普通レベルのニキビまで回復させることができたら、次は一般的なニキビに効果のある洗顔料を使用して洗顔します。
ニキビが出来ている場合の洗顔方法は、それぞれの症状などに応じた洗顔料を使って、たっぷりの泡で優しく洗うことが基本です。もっともこの洗い方は、ニキビだけに対して行うわけではなく、通常の洗顔の基本でもあるのですが。力を入れて強く洗うと、逆にニキビや肌に負担をかけてしまい、逆に悪化させてしまう可能性があります。クレンジング時と同様、手を洗って清潔にした後、肌の温度と同じくらいのぬるま湯(32度~35度)のみを使って、素洗いをします。水でも問題ないのですが、ぬるま湯を使うことで、毛穴を開かせて、毛穴のなかに詰まっている汚れを落とすことが可能です。次に洗顔料を使って、たっぷりの泡を作ります。キメ細かく、弾力のある泡が理想です。もし、上手に泡立たない場合は、泡立てネット・スポンジなどを使うと簡単に泡立てることができますよ。たっぷりの泡を顔の中心から外側に向けて、クルクルと円を描くようにして指を優しく動かして洗っていきます。優しく撫でるだけで汚れを落とすことができますので、絶対に力は入れないようにしてください。洗顔の時も、クレンジング時と同じく、皮脂が多い部分から洗い始めると良いようですね。洗い終わったら、再びぬるま湯で泡を落としていきます。すすぎ残しがないよう、泡で洗った時以上の時間をかけて丁寧に洗い落としてください。すすぎ残しがあったのでは、せっかくの洗顔も無駄になってしまいます。最後に、清潔なタオルで肌を押さえるようにして水分を拭き取ります。特にニキビの患部周辺にはより気を使って優しくタオルを当ててください。
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